こんにちは、整理収納ソムリエのだーかねです。
先日の投稿で、整理収納アドバイザーについて書きました。
では、そもそも「整理収納」って何でしょうか。
いろいろな方と話をしていると、「整理収納」だけでなく、「整理整頓」と言う言葉もよく耳にします。
整理収納と整理整頓の違い
単語を調べてみると、
(似た言葉である「片付け」も服めて)
1)整理
無駄なモノを取り除くこと。 ⇨ 必要なモノと不必要なモノに分ける。
2)整頓
物事を整った状態にすること。 ⇨ 定位置に戻す。
3)収納
中に入れてしまっておくこと。 ⇨ 取り出しやすくしまう。
4)片付け
散らばっているものをきちんとした状態にすること。
となります。
何となく似たような意味ではありますが、厳密には違っており、「整頓」のような整っている綺麗な状態にするだけでなく、「収納」のような取り出しやすくしまわれていることが大事になります。
なので整理整頓ではなく「整理収納」と言うことになります。
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整理から収納
お客様の家に訪問すると、すぐに綺麗でかっこよく収納されている状態にしてもらえると思っている方が多いですが、それはまだまだ先のことになります。
「整理収納」と書かれているように、まずは「整理」を済ませてから、「収納」の作業に入ります。
どうして収納よりも整理から?
ではどうして「整理」から作業に入るのでしょうか。
「整理」は上記にも書いたように、必要なモノと不必要なモノに分けて、必要なモノだけを残すと言う作業になります。
必要なモノと不必要なモノとに分ける作業をどうして先にやらなければならないかと言うと、下記の図のように、一般的な部屋のモノの量は1,000〜1,500と言われており、整理収納がうまく出来ず、モノが多い部屋では量が2,000〜3,000あると言われています。ちなみにこれは、1人あたりの量です。
これが家族分となると、整理収納が出来ている家とそうでない家とで相当な量の差になることは容易に想像出来ますよね。
この状態で「収納」を先にやってしまうと、ある部屋がスッキリ収納された分、別のある部屋のモノの量が増えることになります。
要は不要なモノの置き場所を移動させるだけの何も代わり映えのないものになってしまうだけなんです。
なのでまずは「整理」を先に行い、不必要なモノを取り除いてからにすると、収納スペースにも想像していた以上の空きが出来、「収納」のための融通がかなり利くようになります。
具体的に整理の作業をしましょう
では具体的に作業をしていきましょう。
必要なモノと不必要なモノに分けると言うことで、一つ一つのモノに対して判断をしていくことになりますが、この時に気を付けて欲しいのが、収納されている状態を見て、目視で判断してはいけないと言うことです。
正しい手順は、
1)収納されている棚から全て出す。
2)一つ一つを手に取り、要不要の判断をする。
3)必要なモノだけを元に戻す。
この作業をすることになります。
書いた通り「全て」に対してです。
このように書くとものすごく大変な作業に感じますが、部屋にあるモノを一気に全部出そうとするとさすがに置き場所がなくなる可能性があるので、エリアごとに出していけばいいと思います。
ただし、衣類なら衣類、本なら本、同じ種類のモノは一気に出すようにしましょう。
そうすることによって、いかに多い量を保管していたかが視覚的に把握出来るし、似たようなモノばかり買っていたことにも改めて気付かされます。
目視だけだと、綺麗に収納されている状態を見て、実際には不必要なモノに対してまで必要だと勘違いしてしまいます。
整理の判断基準
では必要なモノと不必要なモノとに分ける判断基準は何かと言えば、ズバリ使うかどうかです。
衣類と本を例にしてみます。
使うかどうか=衣類であれば、着るかどうか。
使うかどうか=本であれば、読むかどうか。
と言うことになります。
1.衣類における事例集
この判断基準で進めている場合、下記のような意見が出てきます。
1)まだ新しいから。
2)これから着るかもしれないから。
3)高かったから。
新しくても着ないものは着ないし、着るかもと思っても結局着るのはいつもの服だし、値段が高くても今まで着てなかったのなら今後も着ないし。
着てなくて新しいままだと、そのような服を処分することをためらう人もいます。
しかしよく考えてみて下さい。
服を作ったデザイナーさんの立場からすると、着てもらうことを考えて作った服を、ずっと封印されたままで喜んでいると思いますか。
また、着ている服の中にも、あんまり好きではないけど、持っているから年に1、2回は着なきゃと受け身な考えになってしまっていることはありませんか。
そのような服も含めて不要と判断してみましょう。
そうすると、残った服は全部好きな服だけになります。
どう考えても毎日の服選びは楽しくなるし、それでいて収納は以前に比べて圧倒的にスッキリしてきます。
2.本における事例集
この判断基準で進めている場合、下記のような意見が出てきます。
1)1回しか読んでなくて新品同様だから。
2)また読むかも。
3)高かったから。
新品同様でずっと保管していても何にもなりません。
「読む」と強く断言出来ない限り再び読むことはありません。
本を継続して読んでいる人って過去の本を読む時間があるぐらいなら、新しい本を読んでいると思います。
それぐらい最新情報に敏感になってますからね。
値段が高かったとしても、読まないのなら意味はないですね。
そして電子書籍もどんどん活用しましょう。
3.特例
ただし、原則不必要と判断すれば処分でいいと思いますが、該当しないモノも出てきます。
1)形見
2)思い入れ
3)価値がある貴重品
これらのモノも一見、不必要ですが、保管する方にとって気持ちが前向きになれるようなモノであれば、必要との判断で保管すれば良いと思います。
これらのモノを強引に不必要として処分しても、逆にマイナスの影響が生活に出てしまう可能性もあります。
と言っても、もちろん部屋のスペースに限界はあるので、例えば収納ボックス1箱分までとする、などの保管量は決めておくようにしましょう。
そして一定の期限を決め、期限がくるたびに再度必要か不必要かの判断をしましょう。
その繰り返しです。
整理が終わると
さて、ここまでで「整理」に関わる作業はだいたい終わりでしょう。
これで「整理」と「収納」のうち、「整理」が終わったから全体の半分が終わったと思ってしまう方がいるかもしれませんが、実はこれで全体の7割ぐらいが終わったことになります。
それぐらい「整理」って大事な作業なんです。
だから労力もかなり使うことになると思います。
いつの間にやら
そして、ここまでくると気付くとおもいます。
整理収納のプロの方のブログを読み、お客様の自宅から「すごい不要なゴミの量が出てるよね。」って思っていたことが自分の家にも該当してしまっていることを。
家から相当な量のモノがなくなり、最初に想定していた「こんな感じで収納を改良してもらえたらいいな〜」よりもはるかに収納の融通が利く状態になっていることを。
その後の「収納」作業が楽しみですね。
最後に
改めて、「整理」と言うのは自分の思考との戦いです。子供の頃から大人になった今に至るまでずっとそう思い続けてきた思考と別の思考で考えなければならないのですから。
でも、冷静になって考えれば分かるはずです。
何度も言いますが、大事なのは「使うか使わないか」の判断です。
何度も何度も自分に問いただしてみてください。
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