病院に行くのが苦手な方も多いと思います。風邪を引いたとき、少し様子を見ようかなと休息を選ぶのも大切なこと。風邪で病院を受診し、インフルエンザなどの感染症をもらってきては元も子もないですし。でも、薬は飲みたくないといいつつ、サプリメントとかに手を出す人っていませんか?今日は、そんなサプリメントやレメディー、ホメオパシーについて考えてみます。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] うー、頭が痛いよー [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] 痛み止めでも飲んだら?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] 薬に頼りたくないのー [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] うーん・・・・・・。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] ホメオパシーとか、どうかしら? [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] うーん・・・・・・。[/speech_bubble]ゆめ子の相談に、僕はちょっと頭を抱えてしまいました。ホメオパシーって久々に聞いたなぁっていうのと、どういう風に応えたら丸く収まるのかなぁということで。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] 熱はあるの?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] うん、37.6度あるよ。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] まぁ微熱だね。風邪かな?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] たぶん。昨日雨に濡れながらバスケしたから。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] ・・・・・・ワイルドやな[/speech_bubble]どうやら、ゆめ子は雨に濡れて身体を冷やし、風邪を引いてしまったようですね。
そもそも、風邪ってなんでしょうというところから、考えてみます。
そもそも風邪ってなに?
風邪は、空気中に漂うウイルスが身体の中に入り込み、喉や鼻などに炎症を引き起こし、痛みなどの症状がでることをいいます。
炎症と聞くと、身体をどこかにぶつけたり、転んだりしたときにでるものをイメージしがちですが、実は免疫が関係しているんです。
「免疫」と聞くと、「免疫力」などの言葉に象徴されるように、病気になりづらい身体というのを想像しますよね。
まさしくそれです。
ウイルスのサイズってどれくらい小さいかご存じですか?
スギやヒノキから舞う花粉が30μm
肺炎や扁桃腺炎などの病気を引き起こす細菌が、その1/30の1μm
さらに、その1/10がウイルスです。
(こちらより引用:http://hc.kowa.co.jp/3jigen/)
その大きさの比率は、バスケットボールのゴールが3mほどの高さなので、そのサイズが花粉だとすると、ウイルスは1cmほどのサイコロと同じくらいの大きさ。
つまり、めちゃくちゃ小さい。
それが、あんだけいろいろな種類の症状を引き起こすんです。
ちなみに、ウイルスの種類は何千とあるので、特効薬がないのはそのため。
もちろん、インフルエンザや一部の肝炎ウイルスの特効薬はありますが、ごく少数だってことですね。
でも、特効薬が無くても、しばらくすると治るじゃないですか、みんな。
あれってなんなの?って話ですよ。
この辺が、勘違いされやすいポイントなんですけど、病院で処方される薬や市販薬は、あくまでも症状を抑える薬です。
頭が痛いときは、痛みを抑える。
鼻水が止まらないときは、鼻水を止める。
飲むのを止めたら、また痛くなるし、鼻水もまた出るようになります。
なぜって?身体の中にウイルスがまだいるからです。
ゆめ子が勘違いしている、ルルゴールドがウイルスをやっつけているわけではないんです。
じゃあ誰?
それが免疫です。
免疫は、血液の中にある白血球が担当し、ちまちまとウイルスと戦いやっつけているわけです。
一番絶好調で働く温度が37度〜38度なんです。
だから、風邪をひくと発熱するじゃないですか。
あれは、白血球が絶好調で働いていることを示しているんですね。
よく、市販薬を飲むと風邪の治りが悪くなるっていう話あるじゃないですか。
あれは、熱を下げてしまうと白血球の働きが鈍くなるから、ウイルスを殺すのに時間がかかるっていう話なんですね。
だから、休めるときに休むのが大事っていうのはそういうことなんです。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] そうそう!だから私薬飲みたくないの! [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] ルルゴールド・・・・・・。[/speech_bubble]安保徹さんという新潟大学名誉教授がいます。
この方は、免疫革命という本で有名になりました。
免疫革命の中で、面白いことを言っているんです。
人間には交感神経と副交感神経という2つの神経がバランスを取っています。
活動中の時は、交感神経が働き心臓が活発に動いて呼吸の数も増やします。
リラックスしているときは、副交感神経が働き、心臓や呼吸が穏やかになります。
免疫細胞は、副交感神経が働くと活発化されるのです。
そのため、免疫力を向上させるためには、副交感神経を有意にした方が良いですよ、というのはなんとなくわかりますよね。
けど、安保徹さんはそれだけじゃ駄目なんだと。
あくまでもバランスなんですよ、というのをいっています。
仕事や家事などで忙しい人は、休む暇がありませんよね。
そうすると、免疫力がぐんぐん落ちてくるため、癌ができても対応ができなくなり、癌になってしまうんだと。
それに対して家でゴロゴロしながらテレビを見て、好きなお菓子を食べまくっている人は
副交感神経がずっと働いているんだと。だから、免疫細胞が過剰に働き過ぎて自分の細胞までも戦い、アトピーなどの免疫疾患になりやすいんだと述べています。
僕はアトピーだからなおさらなんですが、安保徹さん、好きじゃないんですね〜。
当時、皮膚科学会からも猛批判されました。
でも、過剰に考えなければ、バランス良く考えればわかることですが、風邪を引いたときに免疫力を向上させるために、休息をするのは理にかなっているというのはわかりますか?
休息をすれば、副交感神経が働くので、免疫力が向上するのです。
ここで、別の視点で考えてみます。
[ad#ad-1]エステやマッサージも風邪に効くの?
免疫力を向上させるために、何かすれば良いのであれば、マッサージやエステに行って副交感神経を働かせれば良いはず。
その視点は間違えていません。
しかし、マッサージで痛い思いをしたり、エステに行って緊張したり、リラックスできなかった状態になったときは交感神経が優位になるため、効果はありません。
それに、体力を消費してしまえば免疫細胞も働くことができなくなるため、ウイルスに利することになるのです。
だから、やるもやらないもあなた次第という答えになるんですね。
万人に有効とはいえないというわけ。
要は、おまじない。
この考え方大切です。
サプリメントとか、エステとか、マッサージとか。
それを行うことで、万人が健康になるわけではありません。
でも、行うことにより、ちょっと良い人生が送れるかも知れません。
やることで害にならないのであれば、おまじない程度にやってみようかな?
という話です。
だから、風邪を引いたら薬を飲まないでマッサージに行くという人がいても良いですね。
そうすれば気持ちよくなって次の日には身体が楽になるっていうかもしれません。
でも、だからあなたもやりなさい!は間違えていますね。
万人に有効ではないですから。
ここ、なんです。
おまじないって大事。プラセボ効果
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] なによ!おまじないじゃ意味ないじゃない! [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] おまじないって結構大事なのよ。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] そんな非科学的な話・・・・・・。あんたも落ちた物ね。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] いやいや、科学的な話なのよ。[/speech_bubble]ゆめ子は、非科学的な話!と怒っていますが、実は科学的に効果があることがわかっています。
砂糖とか、食塩水とか、取り過ぎなければ身体に害のないものですよね。
これを、薬ですと渡されても、ふざけるな!って思うじゃないですか。
でもね、砂糖や塩だって言われずに、薬だって渡されたらどうですか?
うわ、なんか甘いな。
お、しょっぱい薬なのか。とかくらいしか感じないですよね。
でも、中身は砂糖や塩なので、なにも効果がないと思うでしょう?
あるんですよ、これが。
これをプラセボ効果といいます。
特に下痢や不眠に対して効果的だといわれています。
これにはいろいろな仮説が唱えられているんですが、思い込みや不安感の解消などが考えられています。
ほら、話を聞いてもらったら楽になったっていう人いるでしょう。
それと同じで、薬を出してもらったら楽になったとか、
あの先生の薬は効果あるとか、そういうこと。
だから、先生の威厳とか、結構効果的に働くかも知れませんね。
これを活用するために、風邪を治すためにマッサージに行く!という願いや思い込みが結構効果的かも知れませんね。
ただ、あくまでも免疫力向上が目的だから、それ以外の原因がある場合は無意味です。
例えば、がんや胃潰瘍、アトピー性皮膚炎とか、病院にかかるべき病気には病院で治療しなければ駄目。
それと併用してマッサージやエステ、砂糖や塩をぺろっとするのは良いけどね。
おまじないだから。効くかも知れないし、効かないかも知れない。
だけど、病院で治療すべきものを、おまじないだけに頼るのはあほらしいでしょう?
占いでイギリス軍をやっつけようとした、アヘン戦争の時の中国みたいな話ですよ。
(引用:http://china-redtour.com/doc/ahen.html)
【エピソード1 婦人の尿桶でイギリス軍を撃退しようとした清軍】
エリオットに香港領有の言質を与えたために北京の怒りを買った琦善にかわって派遣されたのは、皇族の奕山とその配下の楊芳将軍であった。ところが、この楊芳将軍、まじないというか迷信に凝っていて、イギリス軍の砲撃が正確なのは、敵にも呪術師がいるからだと大まじめで信じていた。
そして、敵の呪力を弱めるのは何か、と信頼する占い師にみてもらったところ、「外夷が忌むのは婦人の尿である。すなわち婦人の尿桶(便器)のふたをとり、その口を敵へ向ければ外夷の妖術はたちまち破れるであろう」と教えられた。
それを聞いた楊芳と奕山は、広州到着早々、おふれを出して街中から婦人の尿桶を集めさせた。その尿桶がどれだけの効力を発揮したかについては、言うまでもないだろう。
でも、普段の生活の中で占いをしてみて、ハッピーな一日です、とか言われたら、ハッピーな気がするでしょう?
そんな程度です。
ホメオパシーの話
[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] ホメオパシーの話は? [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] うーん。今ので8割は終わっているんだけど、気がつかない?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”girl.png” name=”ゆめ子”] 日本語下手すぎワロタ。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] ガーン[/speech_bubble]ホメオパシーは、ドイツのハーネマンという人が創設した医療なんですが、結構ややこしい。
熱や頭痛をひきおこさせる、具合の悪くなる原因を摂取すれば、当然具合が悪くなる。
だけど、アルコール中毒の人が、朝二日酔いで苦しんでいるときに、迎え酒をすると、調子が良くなる。
つまり、アルコールは体調を悪くしている原因なのに!
そこで、ハーネマンは毒をもって毒を制すならぬ、原因物質を摂取することにより調子が良くなるのではないかと考えたわけです。
さらに、単純にそのものの物質を摂取するよりも、極限まで薄めた状態、海に1滴垂らした程度の濃度のほうが、より効果が出るのではないかと・・・・・・。
実は、ヒトラーもドイツの新しい医学じゃ!といってハーネマンを厚遇したという歴史があります。
そして、このような極限まで薄めた液体を砂糖の塊にしみこませた物を「レメディ」といいます。
レメディを飲むことにより、身体の中で悪さしているものと共鳴し、よくしてしまうと。
ホメオパシーの専門家は、この毒をもって毒を制するという説明は間違えているよというひともいます。
僕も、専門家ではないので、そこの違いはよくわかりません。
ここで、ホメオパシーなりレメディなりで大切なことは
砂糖にしみこませてある原因物質は極限まで薄めてあり、ほぼ水。
つまり、水をしみこませた砂糖の塊
ほとんど、砂糖だということ。
だから、飲んだって害なんてないよ、といわれるのはそこなんです。
さて、プラセボ効果の話を思い出してください。
「身体に害のない成分でも、摂取すれば効果が出る場合がある」
レメディもそういうことなんですよ。
だから、おまじない。
そして、これを看護師として声を大にして言いたいのは、
病院で治療する必要がある病気に、ホメオパシーだけで対処するのは駄目です。
アヘン戦争の中国と一緒で、敗北つまり死にます。
どうしても、ホメオパシーによるおまじないをしたいのであれば、病院での治療と併用するのが良いと思います。
ここが、10年ほど前にニュースを騒がした問題です。
ホメオパシーが騒がれた理由
難しい話になります。
僕たちが怪我をして血が出ると、しばらくすると止まりますよね。
それを血液凝固というのですが、一連の流れの中でビタミンKが必要になるんです。
逆のことをいうと、ビタミンKがないと血液が止まりづらいということです。
これを利用したのがワルファリンという薬で、血液を固まらせるときに作用するビタミンKをブロックします。
その結果、血液がさらさらになるんです。
そう、ワルファリンは血液をさらさらにする薬なんですね。
実は、生まれたばかりの赤ちゃんは3ヶ月くらいまでビタミンKを作れないんです。
だから、ビタミンKが不足しがちになるんです。
そう・・・・・・。ほっておけば、ビタミンKが足りなくなり、出血を引き起こします。
これをビタミンK欠乏性出血症といいます。
でも、現代ではこれが生じるのがわかっているため、生まれてから生後3ヶ月まで1週間おきにビタミンK2シロップを与えます。
そうすれば、欠乏することはないですから。
そこで、2009年にある事件が起きます。
山口に住む女性が、助産師さんの指導の下女の子を出産します。
その助産師さんは。ホメオパシー団体に所属しており、「ビタミンKと同じだけの効果がある」と信じるレメディをその子に与えていました。
ビタミンK2シロップは与えずに。
でも、医師に怒られると考えた助産師さんは、母子手帳には「ビタミンK投与」と記載したんですね。
その結果、どうなったか?
その女の子は出血を起こし亡くなってしまいました。
これは、病院での治療を受けなければならない病気(今回の場合はビタミンK不足)は、病院で治療を受けないと死亡するということをさしていますよね。
もし、ビタミンK2シロップを投与した上で、元気な子に育つというおまじないの意味でレメディを使っていたら、また違うかも知れません。
砂糖の塊であれば、害はそこまでないでしょうし、それで元気に育ったのであれば、おまじないに効果があったなぁと思えるのですから。
まとめ
風邪には特効薬がありません。自分の免疫細胞がウイルスに勝のをただ待つだけです。
免疫力は副交感神経が働けば活発になりやすいです。
リラックスできるものを探して、取り組むのは風邪に良いかも知れません。
でも、おまじない程度の効果です。
ホメオパシーも、おまじない程度。
病院で治療すべき病気をおまじないで治そうとするのは止めましょう。
アヘン戦争で中国はおまじないに頼り負けました。
サプリメントとか、健康食品が好きな方には、良いかも知れませんよ。レメディ。
僕は、めんどくさがりなので素直に薬を飲みますw
ちなみに、健康被害が全くないわけではないです。
サプリメントも健康食品も、レメディも。
肝機能障害を生じる場合があって、わりと検診の時に引っかかったりします。
なので、定期的な検診を行っていない人は、地味に気をつけておいた方が良いですよ(・∀・)