「君の名は。」にみる男性のキスしたい欲求と、女性のそうとも限らないすれ違い生活のワケ

「君の名は。」を観ていない人もいると思うので、ネタバレをしないように記事を書きます。僕は「君の名は。」を観ていて感じたのは「キスをして欲しい場面でキスをしてくれないもどかしさ」です。しかし、一緒に見に行った妻はそんなことを一切感じていませんでした。僕は「君の名は。」の感想が男女により異なるのではないかと感じたのです。

意外と知られていないキスの効果

美しいものをみたときや、おいしいものを食べたとき、気持ちの良い行為や心地よい音楽を聞いたとき、脳内にエンドルフィンという成分が分泌されます。この成分が分泌される事により、ストレスを緩和させ、気持ちよい気分にさせるといわれています。痛みですら和らげるといわれており、長距離のマラソンを走っているときに「ランナーズ・ハイ」とよばれる辛いけど気持ち良いという感覚に陥りますが、それはまさしくエンドルフィンの効果なのです。

実はこのエンドルフィンですが、キスをしたときも分泌され同じような効果、つまり辛さを和らげ気持ちよい気分を与えてくれるといわれています。そして、キスの場合にはエンドルフィンの分泌にとどまりません。

人間のストレスを作り出すのはコルチゾールという物質です。まず、このコルチゾールが作られるのを防ぎます。そして、ストレスを抑え込む物質がセロトニンです。こちらが減少してしまう病気がうつ病だといわれています。このセロトニンを増やす効果があります。その結果、キスをすることによりストレスを感じさせにくくし、ストレス自体を解消し、気持ちよい気分を作り出すのです。さらに、ここに「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。幸せを感じさせてくれるホルモンです。人と人とを結びつけてくれるホルモンです。

まとめると、キスをすることにより幸せや気持ちよさを得て、ストレスを減らし、ストレスを作りづらくする効果がある、ということです。

 

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キスの効果は驚くべき男女の差があった

実はキスという行為をする動物は、人間だけといわれています。オランウータンの口をとがらせるような行為は、求愛行為でも何でもなく、相手への威嚇という意味があります。キスをすることにより、オキシトシンやエンドルフィンが分泌され、その二人の絆が強化されることはキスの効果のところで説明しました。つまり、幸せを求めているとき、人との絆を求めているときに、人間はキスをしたくなるようです。

しかしながら、実はここに男女の差があるのです。2009年に発表された米国のWendy Hill教授によると、男性はどのような場所でもキスの効果は十分にありましたが、女性はそうではありませんでした。むしろ、無機質な何もない日常の場所でキスをすると、ストレスは解消されましたが、幸せにするオキシトシンは発生しませんでした。つまり、幸せな気分にはなれなかったのです。だから、男性が幸せを感じ、ここぞとばかりにキスを迫ったとしても女性としては「え、こんな場所で」と感じ、キスを拒否する場面も当然あるということですね。

では、どのような場所なら女性も幸せに感じるのでしょうか。それは、人目に付かないムードのある場所というものでした。だから、人里離れた夜景とか、夜の公園とか、ドラマとかでよく見るんですね。

そして、場所だけではありません。場所はキスの効果を高めるためという意味合いがありますが、どうしたら相手にキスをしたいと思われるのかという部分も大切です。

実は、女性自身に認められることが大切なのです。唐突に認められるといわれるととまどうかもしれませんが、女性自身をムードのある場所につれていってくれたり、自分の生活を保障してくれたり、子供を一緒に育ててくれたりしてくれそうな人、安心感のあるような人に出会うと、女性は気がつかない間に幸せを感じるオキシトシンが分泌されます。そして、自然と胸はときめきキスをしたいと女性は感じるものなのです。したがって、男性は如何に女性に認めてもらうのかが大切で、ムード作りもその1つに過ぎません。

君の名は。のシーンでどうしてもキスして欲しかった場面

多くの人に賛同を得られないんですが、僕はあの映画のシーンでどうしてもキスをして欲しかった場面がありました。主人公もヒロインも、そして聴衆も絶対オキシトシンが分泌されるであろう場面です。どうして、自分自身がキスをしていないのに、映画だけでオキシトシンが分泌されるか分かるのかといえば、それは想像は質感も伴うからです。詳しくはこちらの記事を参照してください。

観ていない人も、一度観た人も何処にそんなシーンが?と思うと思います。それをアタマの片隅に入れて、もう一度映画をご覧ください。

キスって本当にいいものですね。

ABOUTこの記事をかいた人

救命センターの看護師。英国型のナーシングホームをやりたい。アロマなどを用いて西洋医学一辺倒ではないケアを提供することが目標。学園祭で講演会を1人で企画運営し成功させた。アトピー性皮膚炎の患者指導も研究している。