インフルエンザが流行り出すと、薬局やスーパーなどの売り場を埋め尽くしはじめる手指消毒剤ですが、本当に効果があるのか疑問を感じたことはないでしょうか。風邪予防に手洗い、うがいは効くけれど、消毒はいつしたら良いのか、わかりませんよね。食中毒の増える夏にも有効なのか、謎の多い手指消毒剤を、効果から使用方法までご紹介いたします。
風邪がうつる仕組み
子供たちは、草や木、公園の遊具など、様々なところに触れ、そのままおやつを食べたりすることでばい菌が身体の中に入り込み、悪さをすることで風邪にかかります。しかし、大人である私たちは、汚いものに触れる機会はあまりありません。しかし、風邪にはかかります。これには、私たちの普段の生活に理由があるのです。
手のひらは細菌だらけ
実は、汚いものに触れなくても私たちの手のひらは数多くの細菌が潜んでいます。しかし、普段この細菌は手のひらや身体の中に入り込んでも悪さをしません。むしろ、皮膚の環境を整える役割をしてくれています。この細菌を「常在菌(じょうざいきん)」といいます。
勘違いしやすいのが、手のひらにはたくさんの細菌がいるということにびっくりして、必要以上に手を洗う方もいますが、その結果常在菌が減少し皮膚の環境が乱れてしまい手荒れを起こしてしまう患者さんもいます。したがって、必要以上の手洗いは、良くないことがわかります。
常在菌が悪さをすることがある
手のひらに限らず常在菌は環境を整える「良い細菌」のイメージがありますが、実は悪さをする場合があります。顔に出来るニキビや、食中毒の原因になったりするのです。おにぎり屋さんの調理師さんが手袋をしているのを不思議に感じたことはありませんか。あれは、手のひらなど皮膚の至る所についている黄色ブドウ球菌という常在菌が、おにぎりに付着し増殖することを予防しているのです。
体内に病原体が入るのを防ぐ
手のひらについた常在菌や病原菌が、口や皮膚に付着することで病気を発症します。しかし、手のひらを洗いすぎると環境が荒れてしまいます。大きなポイントは、清潔を保ちなおかつ乾燥を防ぐことです。乾燥し、傷が出来ると化膿しやすくばい菌が増えやすくなります。鼻水や痰、傷口やトイレ後など自分の手が「汚れた後」は必ず手洗いを実施し、乾燥肌や傷がある場合は保湿し医師から処方されている薬がある場合はこまめに塗布します。
[ad#ad-1]手洗いのかわりに手指消毒は危険
冬の時期に売り場面積を占める手指消毒剤ですが、手洗いの代わりにこまめな手指消毒を行っている方もいるでしょう。しかし、正しいタイミングと正しい使い方をしないと、食中毒や肌荒れの原因になってしまうため注意が必要です。
手指消毒に効果があるばい菌、ないばい菌
手指消毒は簡単にできますし、場所を問いません。そして、多くのばい菌に効果があるため、患者さんと接する病院のスタッフが全員持っているところもあるくらいです。しかしながら、学校のグラウンドやはたけなどに潜んでいる破傷風菌や食中毒の原因となるボツリヌス・ウェルシュ菌には効果がありません。したがって、学校で転んだり、遊んだあとの手洗いを実施せず、手指消毒のみだった場合、破傷風になったり食中毒を引き起こす可能性はすくなからずあります。
簡単・便利な手洗い
手洗いは特別な薬品を必要とせず、そして効果がない細菌は限りなく少ないです。また高度な技術を必要とせず、子供から大人まで行うことが出来ます。石けんを正しく流すこと、乾燥している場合は保湿剤を用いることで皮膚トラブルも避けることが出来ます。
明日からは衛生学的手洗いを行いましょう
こちらより引用→出来ていますか?せいけつ手洗い|サラヤ株式会社
ポイントは、しっかりと泡立てた石けんではないと効果がないということ。そして強くこすりすぎないこと。最低でも30秒かかるということです。こどもの場合ハードルとなるのが泡を立てるということです。泡で出てくる石けんもあるため、そちらをおすすめします。
いかがだったでしょうか。便利で、すごく効きそうな手指消毒剤ですが、実は専門的で「扱いづらい」商品であることが理解できたでしょうか。これからは、手洗いを見直すことからはじめることをおすすめします!