いくつになっても、元気でいたい
このブログを読んでいる皆さんの年齢は、様々だと思いますが、「いくつになっても、元気でいたい」という想いは同じだと思います。もちろん、今すぐ死にたい、いつ死んでも良いと考える方がいたとしたら、それは大切な個人の価値観なので尊重したいなぁと看護していていつも感じます。
( http://cssdioceseofscranton.org/content/senior-services/project-head-for-the-elderlyより引用)
ところで、この「元気でいたい」というイメージに皆さんはどんなものをお持ちですか。80歳、90歳と生きながらえることですか。それとも、80歳、90歳になっても、自分の力で歩き生活している姿ですか。
日本の平均寿命は、女性が80歳を超えています。それは、単純に80歳を超えて命を保っているという意味で、健康に過ごしているという条件は含まれません。
この健康に過ごす年齢のことを健康寿命といいます。
[ad#ad-1]「健康寿命」日本トップ 男性71.1歳、女性75.5歳
世界にはHIVなどの治らない病気が蔓延しており、まだ健康寿命に伸び悩んでいる国も多くありますが、日本では性教育が進んだことや、生活習慣病にたいする治療が皆保険制度により平等に国民全員が受けられていることで、脳卒中などの日常生活に影響をおよぼす病気が減った結果、世界でトップの健康寿命をたたき出すことができています。
それでも80歳まで生きるとしたら、5年間は何らかの介助が必要な状態になってしまうのも事実です。加齢という生理現象に勝てないというのもあるかもしれません。しかし、自分の手でこの健康寿命を伸ばす方法があります。
歩く動作の要はチームワーク
ヒトが立ったり座ったり、歩いたりするためには、脳神経、筋肉、骨がバランス良く動く必要があります。
脳から手足に「歩け」と命令を出すと、神経を伝わって、手足の筋肉や骨がそれに応えます。しかし、脳が命令を出せなかったり、神経が途中で途絶えていたら、筋肉や骨に命令が届きません。脳からの命令を神経を通して筋肉や骨に伝えたとしても、骨が折れていたり、筋肉がやせ細っていたりしたら、うまく歩くことは出来ません。
脳からの命令が出せなくなる代表的な病気が脳卒中です。神経が途切れる代表的な病気が脊髄損傷です。そして、骨折や筋力の低下により歩行が出来なくなってしまうのです。
筋肉の低下はリハビリにより防ぐことが出来ますが、一度切れてしまった神経は元に戻りませんし、高齢者の骨折は寝たきりのリスクを高めます。したがって、いくつになっても、歩きたいと感じている方は脊髄損傷と骨折に気をつければ良いのです。
年だなと感じたら、自転車に乗るな。
首や背骨には、脊髄という太い神経が走っています。この神経を通して、私たちは脳からの命令を手足に伝えているのです。年齢を重なるにつれて、首の骨の中や、背骨の中が狭くなっていきます。それだけで、脊柱管狭窄症という病気を引き起こす方もいますが、無症状の方もいます。
太い神経である脊髄が何らかの原因によって傷つく病気を脊髄損傷といいます。その症状として、脳の命令が手足まで伝わらないため、手足が動かせなくなります。大きな原因として、転倒や転落、交通事故などの外傷があります。若年者の脊髄損傷では交通事故が多いですが、高齢者の脊髄損傷では転落や転倒が多いです。
( http://ejoebike.com/tag/elderly-bike-riderより引用)
転落場所としては、脚立の上や屋根の上での作業中、バランスを崩し落ちてしまうことが多いです。また、転倒として多いのが、ちょっとした段差はもちろんのこと、自転車乗車中にバランスを崩し倒れてしまうことも多いです。
高齢になると、相手をよけたり、とっさの判断が出来なくなります。若い頃は可能だった、バランスを立て直すことにも弱くなり、転倒しやすく、また転倒した結果脊髄は無事でも足の骨を折ってしまうなど、寝たきりのリスクを高める可能性を秘めています。
「いくつになっても、元気でいたい」皆さんは、それでも自転車にのりますか?